面白いことは、自分たちでつくればいい。

フリーマーケット出店やアートイベントを開催していた原由希子さん(写真中央)と、漠然と「面白いことがやりたい」という思いを持っていた三上まさみさん(写真右)が子どものPTA役員で出会って生まれたアートプロジェクト「Le pique-nique(ピクニック)。2014年には美術館の学芸員だった後藤真智子さん(写真左)も参加。新聞にも取り上げられるなど、周囲の期待も拡大する中、プロジェクトはどんな進化を遂げているのでしょうか。

「Le pique-nique」(ピクニック)とは、どんな団体ですか?

原さん
いろいろな作家さんを集めてハンドメイドのアート作品を出品してもらうマルシェ(青空市場)を開催する団体として活動をはじめました。きっかけは三上さんと私が子どものPTAで出会ったことでしたね。

三上さん
そうですね。最初は顔を知っているくらいの関係だったのですが、原さんが出店していたフリーマーケットに私が遊びに行った時に意気投合したんです。私は自分で作品をつくることはできないけど、イベントみたいなことをやりたいという漠然とした想いは持っていて。

原さん
そうそう。その後、私がカフェで主催したイベントにも来てくれて、「もう、いっしょにやっちゃおうか」みたいなノリで。

三上さん
本当に最初は自分たちで楽しいことがしたいというだけでしたね。お互い子どももいるので、大人だけじゃなく子どもも楽しめるイベントにしたいということで、第一回目を今日の取材場所でもある永野川緑地公園で開催したんです。ピクニック気分で楽しんでほしいという気持ちをこめて、名前もピクニックに。

原さん
そのまんまですね(笑)。最初のイベントでは、14組の作家さんに参加していただきました。これまで11回開催してきましたが、作家さんもすこしずつ増えて、これまでの最多は60組という時も。お客さんの幅も広がって、最近では県外から来てくださる方もいます。

三上さん
ありがたいですよね。場所もこの緑地公園だけでなく、街中で開催したり。回を重ねるごとに名前も知られるようになって、住宅会社や美術館など、他団体とのコラボレーションも実現してきました。

原さん
そのコラボレーションの中で出会ったのが、後藤さん。

後藤さん
はい。当時、私は美術館で教育普及担当をしていて、地域の子どもに美術に興味を持ってもらうためのイベントを開催していたのですが、ピクニックの協力のもと、伝統建築を利用してマルシェをやったんです。

原さん
最初は2011年だったかな。翌年の2012年には、ピクニックとしてもマルシェだけでなく、ワークショップを中心としたイベントをやりたいと考えはじめて、美大の学生さんに協力してもらうのに後藤さんに相談したりして。

後藤さん
何度かごいっしょさせてもらっているうちに、志の近さみたいなことに気がついて、いっしょにやろうって。

三上さん
2014年にピクニックに引きこんだ(笑)。

活動をしていてよかったと感じるのはどんな瞬間ですか?

三上さん
初回からずっと参加してくれている作家さんがいるんですけど、彼女はピクニックのイベントに出店したことがきっかけで本格的に作家活動をはじめられたんですよ。今では自分でイベントを立ち上げたりしているんですけど「こういう活動をするようになったのもピクニックのお蔭」って言ってくれて。何かをやりたい人のきっかけになれたことがうれしかったですね。

後藤さん
私は就職をきっかけに東京から栃木市に来たんですけど、街を歩いていてもお店が18時くらいに閉まってしまうのにびっくりして。みんなどこで何をして遊んでいるんだろうと思っていたんですけど、自分から積極的に人と関わることで、いろいろな楽しみ方をしている人たちと出会えました。東京には最先端の刺激があるけど、栃木市はフロンティア精神が発揮できるというか、ないものは自分たちでつくっていく。そんな生活の楽しみ方を覚えましたね。

原さん
栃木市歴3年にしては溶けこみすぎだよね(笑)。

後藤さん
主人や同僚によく言われます。知り合いの数と、おじいちゃんおばあちゃんからの可愛がられ方が尋常じゃないって(笑)。

三上さん
年上の知り合いが本当に多いよね。

後藤さん
おばあちゃんと朝7時に待ち合わせて遊びに行って、15時に解散みたいな。「勝手に栃木市のお母さんと思ってね」と言ってくれる人が続出して、親がいっぱいいるみたいです。縁もゆかりもない土地でしたけど、すごくあたたかく迎えてもらっていますね。

原さん
私も東京出身で、夫の地元ということでこちらに来たんですけど、来る前は正直ためらいもありました。三上さんとの出会いをきっかけに、何か面白いことをやろうとピクニックの活動をはじめて、いろいろな人とのつながりができて、周りからの期待も大きくなっていった。遠方からのお客さんが増えてきたり、「次いつやるの?」と聞かれることが増えたり、街中で開催した時に「街がいつもより賑わっているね」と言ってもらえるなど、好きではじめたことが影響力を持ちはじめて、すこしは街の活性化にも役立てているのかなと思うことはありますね。

三上さん
これまではマルシェを中心にやってきたけど、ワークショップをやった時に思いもよらなかったような子どもたちの笑顔が見られたり、作品ができあがってきて、マルシェとは違ったやりがいを感じることができました。マルシェはいったん区切りをつけて、しばらくは活動の中心をワークショップにシフトさせていく予定です。

原さん
これまでもこれからも、長期的な目標みたいなものは特に設定していなくて。基本は自分たちが楽しいことをやりたいという思いを中心に。あとは周りから期待していただくことや人とのつながりを通じて、できることをすこしずつ増やしていければと思っています。

三上さん
こういった活動も、「プロジェクトだ!」って肩肘張らずに、自然体でやっていけるのが栃木市らしいのかもしれませんね(笑)。

公式ホームページ
http://pic29.jimdo.com/

Facebook
https://www.facebook.com/pic29marche

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