東京で身につけた感性が、伝統建築とスローな時間の中で生きる。

東京の中心、オシャレな人が集まる有名カフェで修行した経験を活かし、イタリア料理・スペイン料理を提供するカフェ「cafe bazzar」を経営する加藤裕司さん(34歳)。伝統建築を活かすことで、ここにしかない雰囲気を持つ洗練されたお店ができはじめた栃木市で楽しむ、新たな挑戦とは。

お店も生活も、自分らしさにこだわって。

東京の飲食店で10年ほど修行を重ね、30歳を前にした時に抱いたのが「もっと時間に余裕を持って、自分のペースで生きていきたい」という思いでした。ちょうどそのころ、実家の側にある嘉右衛門町という古い建物が立ち並ぶエリアにオシャレなお店ができはじめていて、「自分もここで」と考えはじめたんです。自分らしく生きるための移住ですから、お店も自分らしくなくてはいけません。イメージのヒントは、東京時代に修行したカフェにありました。飲食店でありながら家具の販売もするなど、生活の楽しみ方そのものを提案するようなお店のあり方にシンパシーを感じました。そんなコンセプトに自分らしさをプラスして、オープンさせたのが「カフェバザール」。市場(バザール)のように自分の好きなものを雑多に並べ、2回ほど旅行してはまったスペインのような力の抜けた空気感をイメージしています。

こだわった分だけ、準備には時間がかかりました(笑)。最初はデザイナーさんにお願いしていたのですが、どうしてもイメージが合わなくて。お付き合いのある古道具屋さんに相談して、ようやく今の物件に出会いました。それから雑貨屋や小道具屋を巡って置きたいものをセレクトし、木材屋で材料を集めてディスプレイなどをDIY。東京で10年修行したので、料理には自信があり、不安は全くありませんでしたね。最初は妻とふたりではじめて、今ではスタッフを7人抱えるほどに。ガツガツ働きたいわけではないので夜も早くにお店を閉めますが、家賃も安くて、経営的にも順調にきています。

スローライフから、超スローライフへ。

お店のある嘉右衛門町は2012年に国から重要伝統建造物群保存地区の選定を受けたこともあり、最近ますます注目が集まっています。年に数回、外からも飲食店やアーティストを集めてお祭りのような「くらもの」というイベントを開催。そこで出会った人がお客さんになってくれたり、人のつながりが大きな財産になっています。また栃木市で飲食店をやっている人同士はとても仲がいいので、お互いのお店に集まってお酒を飲んだり、何かあった時には助け合うこともできる。規模の小さな街だからこその安心感がありますね。

東京から移ってきてよかったと感じるのは、なんと言っても時間の流れがゆっくりしているところ。空気がおいしくて、夜なんて虫の声しか聞こえないし、太陽の光を遮る高い建物もない。それでいて東京も近いから、マンネリ感もないんです。月に1度は東京で最先端のものに触れるようにしていますね。東京で出会った妻は千葉県の館山出身ですが、ここでの暮らしを気に入ってくれています。たまに「海が見たい」と言いだしたりしますけど(笑)。将来的には、栃木市の山の中にレストランを開いて、このスローライフをさらにディープに進化させる予定です。オープンした時に「あのカフェバザールの2号店?」と話題にしてもらえるよう、しばらくは今のお店でがんばります。あくまで、自分のペースで。

Café Bazzar facebook
https://www.facebook.com/CafeBazzar

くらもの ブログ
http://ameblo.jp/kuramono001/

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