農業を通して、縫い合わせたように人が繋がる

人と人が繋がる『ぬい農園』

 山と畑が広がり、鳥のさえずりが聞こえる栃木市の寺尾地区で、野菜を育てている縫村啓子さんと啓美さんご夫婦。 「農業を通して、いろんな人が縫い合わせたように繋がったら良いな…」『ぬい農園』という名前には、そんな想いが込められています。化学肥料や農薬を使わず、年間通して約150種類の野菜を栽培しており、市内のお店や東京に出荷している他、毎月第一日曜日には、大通り沿いにある陶珈紗というお店で、野菜の販売をしています。

 「なんて綺麗で美味しいんだろう!!」縫村さんの野菜を初めて見て、味わった時、感動したのを覚えています。それまで、スーパーで買ってきた野菜を全て使いきれず、無駄にしてしまうこともありましたが、私にとって縫村さんとの出会いが、ぬい農園の野菜との出会いが、「何ひとつ無駄にすることなく使いたい」と思うきっかけとなりました。

栃木市で生産者になるまで・・・

 埼玉県行田市で生まれ、長野県で育った啓子さん。栃木市は父親の故郷で、幼いころから土に触ることが好きで、寺尾に来ては祖父の畑について行ったそうです。自然関係の仕事がしたいと東京農業大学へ進学し、土壌学や環境農学を学んでいました。在学中は、農薬を使わずに野菜栽培をするサークルに所属したり、「農業で国際協力をしたい」と考え、北京に留学したりと積極的に学んでいました。また、この頃から寺尾の祖父に畑の一画を借りて野菜を育てていました。

 大学院に入り「生産者になりたい」という思いが強くなり始め、一度は農産物を扱う企業に勤めたのですが、祖父が1人で農業をやるのが大変になり「農業ができるなら、栃木に行こう」と考え、2014年5月に栃木市に移住してきました。翌年、鹿沼市出身の啓美さんと出会い、結婚。現在は、夫婦で様々な種類の野菜の栽培に励んでいます。

ぬい農園のこれから

 寺尾地区は、米の栽培が適している土地ですが、その中で多品目の野菜を栽培するのは、いろいろ作っている方が楽しいし、いろいろな彩りが楽しめるから。これからは、規模の拡大や加工に力を入れていきたいと話す一方、求められる野菜をつくったり、いろんな種類の野菜があるのだから、1回くらいは手にとってもらえるような珍しい野菜を育てて、こういう野菜もあるんですよと教えてあげたいと話す縫村さん。

 人と接することが好きな縫村さんが営む『ぬい農園』では、2月に味噌づくりのイベントを開催しており、市内外の幅広い年代の方々が集まります。目的がないと、寺尾どころか栃木市まで行く機会ってあまりないですよね。寺尾という場所がどんな所なのか、ぬい農園ではどんな野菜が育てられているのか、縫村さんってどんな方なのか…実際に来て一緒に味噌づくりをしたり、陶珈紗で縫村さんと話しながら買う野菜を決めてみてはいかがでしょうか。

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