栃木らしい建物や文化と、若い感性をつないでいく。

伝統建築が生活に息づく理想的な風景。

転機が訪れたのは、栃木市内の学校に通っていた高校時代。親が転勤族だった反動から、将来はどこかに根をはった暮らしがしたいという思いをずっと持っていました。高校時代をすごしたこの街には、100年以上つづく伝統建築や代々の商売が生活の中に息づいていて、理想的な風景として映ったんです。この恵まれた環境を活かして、栃木市をもっと若い人が楽しく暮らせる街にしたい。「まちづくり」への興味から神奈川にある大学の建築学科へ進学。卒業して栃木県内にもどって最初は建築の仕事に就いたのですが、栃木の街に関われる機会がなく、高齢化が進むなかで栃木らしい風景や生活文化を維持していくための活動がしたいという想いが、なかなか実現できませんでした。しかし、高校時代をすごしただけの栃木市には、頼れる人がいなかったし、情報も少なかった。そこで相談に訪れたのが、いま職員として働いている「くらら」でした。

新しいチャレンジを後押しするプロジェクト。

「くらら」は子育て、環境、福祉などさまざまなテーマで、自主的に栃木市をよくしていこうとする市民団体の活動を支援する施設です。指定管理者としてNPOが運営しています。支援の内容は、各団体の情報発信や会議場所の提供、人材や助成金の紹介など。最初は僕も人脈づくりを相談する側として訪れていたのですが、この仕事に魅力を感じ、運よく働かせてもらえることになりました。
「くらら」に相談したことで、街の人たちとのつながりができ、街が抱える課題が見えてきました。そこで、高校の同級生と3人で立ち上げたのが「マチナカプロジェクト」。空き家などの遊休不動産と、そこを活用したい人を探してつなぐプロジェクトです。いま街の中心地にある「MORO craft(モロクラフト)」という雑貨屋さんは、ご相談を受けてから物件の下見に立ち会い、建物の使い方をいっしょに考え、地元の商店街の人や職人さん、補助金などの制度を紹介するなど、出店をお手伝いさせていただきました。栃木市で新しいことにチャレンジしたい人の存在は、街にとっても財産です。ここで培ったつながりを活かして、出店や居住を希望する人たちがすぐに地域に馴染めて、働き暮らしやすいコミュニティをつくっていきたいです。

目的に合わせて栃木らしさをアレンジ。

栃木市で暮らす楽しみは、できあいのプランではなく、生産者や職人、クリエイターと話しながら自分なりのアレンジを加えておもしろいことができること。例えば、空き家をDIYでリノベーションしたり、好きなロケーションで結婚式や記念撮影をしたり。また街の中心部は伝統行事も多く、文化的にとても豊かな暮らしができる場所です。栃木市と関わって5年ほどになりますが、最近はフォトグラファーやデザイナーなど、東京で磨いた感性を栃木でも活かそうと、二拠点で働く人も増えています。20代後半の人から相談を受ける機会も本当に多くなりました。合併して広くなった栃木市は自然にも恵まれていて、無農薬で農業をやりたいと農村部に移住してきた若い女性もいます。農村部と街をつなぎながら、作る人・商う人・使う人の新しい関係を育みつつ、栃木らしさをアレンジした暮らしを楽しんでくれる人の誘致・発掘に力を入れていきたいです。

「マチナカプロジェクト」
http://mach-i-naka.com

「とちぎ市民活動推進センターくらら」
http://kurara-tochigi.org

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